ブロックチェーンプロジェクト

FacebookのLibraが5分で分かる解説

さて2019年6月18日です。この日は仮想通貨界に衝撃が走った日でもあります。Facebookが旗振りをするトークンのホワイトペーパーが発表されたのです。今日はサクッと5分でLibraがなんたるのかを理解していきましょう。

もう我慢できないかたは早速 Libraのサイトを覗いてみてください。こちらからいけます

Libraの仮想通貨としての特徴

ペッグ通貨である

ペッグ通貨というのは、ある対象通貨に対して金額をトラックしほぼ同等な価値で運用できる仕組みを持つ通貨です。すでに仮想通貨には多くのペッグ通貨が存在します。ドルに対応するものが多数を占めますが、日本円に対するペッグ通貨も提案や実現化に向けて日本の銀行などが動いています。

このペッグ通貨はビットコインに代表される従来の仮想通貨の値段が1日で何10%も変動してしまい、通貨としての信用にかける点を補填していく役目を果たしています

Libraは投機的な魅力はあまりない仮想通貨だと思っていいでしょう。

法定通貨の裏付けがあるトークンである

Libraを発行する場合は同等の価値のある法定通貨(ドルや円など)を用意する必要があり、その分だけLibraを発行する仕組みとなっています。つまりLibraの総発行額と同等の法定通貨が温存されることになりそれが価値の保証をもたらします。

Libraの総発行料は使用者が増えない限り爆発的にはふえないでしょう。ICOで発行者はウハウハということはありません。みなこのトークンを利用したビジネス展開でのお金稼ぎをもっているメンバーが参画しているとみていいでしょう。

BTCなどと異なり存在しなかった価値が発生するような構造にはなっていません

オープンソース、オープンコミュニティをうたっています

Facebookとその仲間たちの身内コインだと思われていましたが、自由にLibraに参加できることを唄っています。これはビットコインなどが成長さえてきた非中央集権的な仕組みを目指す姿勢に感じられます。

ただ、初期メンバーが世界的な企業であるFacebook, VISA, Uberなどとなり、従来の非中央集権的な感じとは大幅に印象が異なります。

システムの運営は自律動作可能なように仮想通貨の報酬の仕組みを取り入れる方向であるようです。理想的にはFacebookが潰れてもLibraは永続的に動く仕組みを整えていく姿勢はみられます。

当初の運営主体は自由な国スイスに置かれるようです。スイスといえばイーサリアムの本部もある仮想通貨の聖地的な場所です。

ただ、超絶の非中央集権世界のBTCやETHとは一線を画すことになるのは間違えないでしょう。残念ながら思想的なものは混ざらないと思います。Facebookの匂いを消すのは至難の技でしょう。

スマートコントラクトの仕組みがある

イーサリアムが大々的に実装したスマートコントラクトの仕組みをLibraは持っています。個人的にはビットコインの発明に続くノーベル賞級の発明であると思っています。

スマートコントラクトはトークンに自動化の仕組みを組み込んだものであり、簡単なプログラム的な動作でいえばAを送ったらBが自動的に送り返されるという動作を、私有されるサーバーでの計算ではなく、全てがあからさまになったブロックチェーン上で行われる仕組みです。

スマートコントラクトのもたらす世界は金融やゲームなどにセキュアな金銭授受を可能にする仕組みをもたらします。この仕組みをLibraが持つことによりただのコインだけではなく、ブロックチェーン上に展開できる仕掛けを持ち自律的なアプリの作成を可能にしそうです。

私的なサーバーの持つセキュリテイリスクをブロックチェーンがセキュリティを担保することにより、金銭の授受のコストが極端に下げられます。

独自の技術を組み込んだオリジナルチェーンである

コンセンサスアルゴリズムはBFT(ビザンチンフォルトトレーランス)を採用しています。詳細はググってもらうとして簡単に説明するとビットコインなどが使っているPoWやEOSのPoSと異なり、管理者が存在し、決まった承認者が存在してブロックを順次形成していきます。

BFTは企業グループで使う場合には推奨される方式ではあるのですが、オープンを目指していく上ではどうなんだろうか?

スマートコントラクトという仕組みのために今回Libraは独自の言語を開発しました。Moveという名称が与えられました。

Libraの狙うところは?

Libraのトップページ絵はこうなっています。仮想通貨の問題解決の一つに法定通貨の安定しない地域の代替え通貨としての役割があります。このトップ絵はそのマーケットをLibraは大切にしていることを示しています

これから発展していく莫大な人口を抱えるエリアの主要通貨になり、その情報を持てることはワールドプラットフォームとしては、広告業だけとっても多大な価値をもたらします。

Facebookはこういった地域でも安定的なインターネット接続を可能とするようなプロジェクトも進めており、世界中の人間を網羅するプラットフォームたらんと考えているのでしょう。

Libraは特定ユーザーは特定のアドレスを持つ仕組みです。最近流行りの匿名トークンとは別の路線かと思いいます。イーサリアムのようなトークンは特定のアドレスを使っていても個人とは繋がりません。

でもですね、Facebookは一旦ある人間が特定のアドレスを使用した瞬間からその個人の特定およびFacebookに持っている個人情報とのタイトな連携が可能です。これは他のLibra参加者では抜群の位置をしめします。

我々はお金のフローもFacebookの知るところになる世界に突入するかもしれません。

我々はLibraを使ってしまうのか?

若者にはFacebookをやらない層は多くいます。ただ、Instagramは絶大な支持を集めています。また欧米ではWhat’s upは、Lineよりよっぽどメジャーなチャットツールです。

Instagramでお気に入りの女優に投げ銭ができるようになったらどうでしょうか?グラマーなサービスカットがでたら男子どもは投げ銭をLibraでしてしまうと思います。かっこいい男優の映画の一シーンに痺れたら女子はLibraで投げ銭をするかもしれません。

ちょっと未開の国に行った時に、安心できる決済方法としてLibraが使えたらどうでしょうか?謎の通貨に変換せずに使えるのは為替リスクが下げられます。たとえ、スマホが盗まれてもセキュリテティーによって守られていたり、最近はリモートで初期化もできます。

日本ではどうでしょうか?スイカやLine Payがあるので浸透には時間がかかる気がしています。Instagramによる侵食くらいでしょうか。きっと最後まで抵抗する最後の国として置いていかれる未来がみえますw

まとめ

ビットコインやイーサイアムの超絶非中央集権的な運動とは一線を画しています。特にまざることはない気がしています。クリプト文化理解と受け入れの土壌は強化されるいいきっかけになるかなと思います。

Uberなどの世界展開する企業が支払いに使うのには為替リスクもさげられ、またわかりますか?多くの通貨への対応を気にすることなくアプリに組み込めて超絶コストダウンも実現します。もしかしたら、売り上げ計算はLibraでしてからドルに変換する日もくるかもしれません。

僕は使えるようになったら使いますよ。でもFacebookはあまりログインしないのできっとInstagramやUberの支払いあたりになるのかなと思っています