Binance Labを知っているだろうか?天下のBinanceのファンドでありインベキュータである。Binanceがクリプトエコノミーを活性化させる、問題を解決すると見込んだプロジェクトがBinanceからサポートしてもらえるというものだ。
目次
Binance Labのポートフォリオ
Binance Labのポートフォリオは公開されている。実際にこのページから見られる。ちょっとのぞいてみよう。12のプロジェクトがリストアップされている。そして、今日の話題にしようと思っているdAppsに大きく絡むプロジェクトに赤枠をつけてみました。
そう今日の話題は COCOS BLOCKCHAIN EXPEDTION プロジェクトのお話をします。
お分かりいただけるかと思いますがブロックチェーン、仮想通貨の文脈でのBinanceのブランドは強くBinance Labに投資をもらえることは単なる金銭的なサポートを超えて価値がありかつ困難なはずだ。
今後のdAppsの開発において影響力を及ぼす可能性を感じとりあげることにした。
COCOS BLOCKCHAIN EXPEDITIONとは
COCOS
実はこのプロジェクトはCOCOSというゲームプラットフォームのブロックチェーン拡張の位置付けとなっている。COCOSとなんだろうか?実は、COCOSは、有名なゲーム開発用のゲームエンジン(ミドルウェア)である。
ゲーム開発など複雑なサービスを開発するときは全くゼロからプログラミングをすることは稀でほとんどの場合はゲームエンジンを活用して開発効率をあげることがほとんどです。
そういったゲームエンジンはゲーム開発な必要なパーツなどを使いやすい形で準備してくれているのです。
ゲーム業界の最大手はUnity。このツールは3Dゲームを作るならUnityと言われるほどの地位を示している。そして今回話題にあげるCOCOSは2Dゲーム開発ならCOCOSだよねと言われる存在です。
数字では300万人の開発者が使っており、3万8千タイトルがCOCOSを用いて開発、リリースが行われた実績があると数字を掲げています。
日本で COCOSを使ったとCOCOS陣営さんが明言しているタイトルとしては ツムツム、モンストがあげられる。
また、COCOSは特にアジア、中国での活用が活発で、WeChatに組み込むミニゲームなども作りやすいゲームエンジンとなっている。
COCOSはなぜブロックチェーン拡張をしたのか?
COCOSによるとブロックチェーンの持つ特徴がゲーム内資産の運用において最高に相性がよいためゲームの活性化のためにブロックチェーン機能を追加したとのこと。
さらにCOCOSは既存の仮想通貨プラットフォームに対応するだけではなく、現在dAppsゲームの抱える問題を解決するために、技術的な手も加えている。それが、独自NFTです。
独自NFTとは?
NFT(Non Fungible Token)とは、ゲームの文脈でいえばキャラクターやアイテムを仮想通貨のトークンとして発行し、ゲームを飛び出して取引できてしまうようにした仕組みである。
NFTの規格でリードしているのは イーサリアム陣営の ERC-721スタンダードである。現在、世に出ているNFTのほとんどはERC-721によって作られていると考えてもいい。
ただ、ERC-721は大きなプラットフォームのイーサリアムのコントラクトを用いておりときおりその大規模かつセキュアなネットワークのトレードオフとしての限界がみえている。
イーサリアム陣営もその問題解決に手をいれてはいるがCOCOSはまた違ったアプローチでこの問題に対処することにした。それが独自NFTである。COCOSは新たなブロックチェーンを準備し、独自のNFT規格 BCX-NHAS-1808 である。
イーサリアム陣営はERC-721規格に追加してERC-1155, ERC-998と呼ばれる規格も作成している。今回、COCOSが作成した規格はいいとこ取りをした規格だとおもってもらえばいいだろう。
ERC-721, ERC-998, ERC-1155については下記記事を参照してください
BCX-NHAS-1808独自の仕様
さらにERCシリーズにはない特徴を備えているので紹介しておこう。これはイーサリアムベースではないということにより実現したものである。
アップデートが可能なスマートコントラクト
イーサリアムのスマートコントラクトを開発した方には悪夢でもありかつユーザーにとっての保証でもあるのですが、スマートコントラクトは一度チェーンに乗っけてしまうと変更ができない。変更できないからこそ契約が保証されているというものである。COCOSにおいてはスマートコントラクトをアップデートできるような仕組みにしている。
優先順位付けによるパフォーマンスの向上
パフォーマンス向上のためにプラオリティの概念を取り入れた優先順位付けをスマートコントラクトの中に入れている
ノードの処理種の分類化
シャーディングに近い感じもするが、処理するコントラクトを特定種に分けて処理をおこなっているところは独自である。これによって処理能力を特化させてあげるということを仕組みとして入れている。
Binance以外のパートナー
なんとBinance以外のクリプト界隈のパートナーも多く存在している。下記がそのパートナーリストである。OK,ONT,NEO,LOOMと大物ブロックチェーンプロジェクトが肩を並べている。
まとめ
ここまでCOCOS のブロックチェーンへの取り組みを紹介してきた。まだゲーム自体はすでにテストネットでカジュアルゲーム3タイトルが発表されているが、今後さらに複雑なゲームが出てくるのを楽しみにしたい。
dAppsには長年UI/UXが弱かった歴史が長くある。COCOSの様にUI/UXに強いプラットフォームの参入には期待がもてる。
イーサリアムでもEOSでもない独自チェーンの採用。この選択は不安もあるが、ゲーム業界にインストールベースを持つプラットフォーマーの一手であるともいえる。
たとえばLineも独自チェーンを運用しており、プラットフォーマーとしての一手であろう。(Lineの独自ブロックチェーンについては、こちらの記事を参照ください)
独自チェーンのゲームであっても、各キャラクターの価値の裏付けや安心して売買できるマーケットがあればユーザーにとっては問題ないだろう。
最後に
この記事をまとめる上でCOCOSの日本でのマーケティング活動をしている阿部様に情報提供をいただいた。改めて感謝の意を評したい。また、COCOS-BCXの2019年の活躍を期待しています。
COCOSの日本での活動はTwitterをフォローされるといいと思う