DAPPS(ユーティリティ)

BlockRecord 弁護士が作ったdAppsを覗く

ブロックチェーンといえば耐改ざん性の高い記録装置として生まれ、仮想通貨がそのコアをなすことは良い子のみなさんのよく知るところだと思う。

この基本機能を弁護士的視点からとりいれてアプリケーションにされた事例が今回の記事である。

早速自分で確認してみたい方は、Block Recordの公式サイトへ行ってみてください。

BLOCK RECORDとは

Block Recordの機能は、写真、テキスト、音声、GPS情報をタイムスタンプと共にある時間で記録し、その記録が確かにそのタイミングで為されたことを証明することを目的としています。

機能

ユーザーは特定の電子データを投稿します。そのデジタルデータのハッシュ値と呼ばれる固有値はブロックチェーンに記録されます。またデータ自体は、パブリックモードの場合はIPFSに記録されます。

IPFSは分散型データストレージでブロックチェーンとともに新世代の記録手法の一つとなっています。一度記録すると基本消せない仕様のパブリックな記録装置だとおもってください。IPFSについては以前の記事が参考になるかと思います。こちらをお読みください。

改ざん不可能なtwitterみたいなイメージにもみえます。記録したい情報を記録することを投稿と表示しています。

source: https://blockrecord.io/index.html

使用用途

事件や事故の記録、思い出の記録、法律上の文章の記録が例示されています。2個目以外は流石弁護士さんが作ったアプリだけあります。

事件事故については、パワハラの音声記録や事故現場の写真が電子的データーとして例示されています。法律上の文章では、契約書、遺言、通知書などが例示されています。

source: https://blockrecord.io/index.html

投稿者に対してのKYCの機能も備わっており、投稿者自身の身元を明らかにした上での投稿への裏付け強化が可能な仕様となっています。

開発者の方もインタビューで述べられていますが、これまで公的機関で証明を行なっていたことをパブリックなスキームを用いて行えないかという観点での取り組みとなります。

音声の記録の証明をできるところはデジタルネイティブかつ面白い取り組みですね

BLOCKRECORDは何を証明するのか?

BLOCKRECORD自体は記録されたデータ自体が正しいことを証明できるわけでない。ある時間に、ある人が投稿した電子データがその後改ざんされていないことを証明することができるまでである。

タイムスタンプのソースについての明言はないがあまり精密な時間での記録を目的としている感じはあまりない。発行できる証明書にも分単位での記録に止まっている。

また、投稿者に対するKYC(Know Your Customerの略)の機能があり、免許書などの公的書類と顔写真にて行えます。ケンタウロスワークス本人認証局の裏づけとなる形となります。

この部分は、電子データの投稿者の人物の特定まで落とすことができるわけである。ここで公的証明書に接続されるわけである。

本サイトの下記の文章が端的に示していますが、これまで中央集権にあった機能を非中央集計的に行えないかの社会実験ではないかと思います。

「共証のプラットフォーム形成を通じて、一人ひとりの個人に力を」

ブロックチェーン技術の中核である自律分散型のネットワークは、中央集権的な公の権威による信頼(「公」証)を、個人の集合体の相互確認による信頼(「共」証)に置き換えることができる技術です。BlockRecordはこのようなブロックチェーン技術の本質に着目し、従来、公の権威が専有していた事実を証明する機能を、個々人の手に取り戻すアプリとして活用されることを目指します。そして、いずれは公証役場等に専有されていた”事実を証明する”機能を、BlockRecordによって、だれでも自由に行うことができる世界を実現します。

source: https://blockrecord.io/index.html

BLOCKRECORDを支える技術

実際に投稿されたデーター自体をブロックチェーンに記録するわけではなく、HASH値と呼ばれる電子データから生成される文字列をブロックチェーンに記録します。

HASHは電子データの大きさにかかわらず、固定長の文字列を生成する技術です。完全に同じ電子データからは同じHASH値が生成されます。

また1bitでも異なる場合は全く違う文字列が生成されます。さらにHASH値から元のデータの復元はできませんので一方通行の証明技術と言えます。この特性によりプライバシーも保証されるわけですね。

パブリックモードでの投稿の場合は、電子データはIPFSの記録されます。IPFSもブロックチェーンと近い文化を持つ、分散型データストレージとなります。一旦記録されてしまうと消せないものとなります。

公式サイトを確認していったところ、使用す流ブロックチェーンは Ethereumとなっております。

Q&Aにはテストネットを使用しておりそのgas用のETHが各自のアプリ内にストアされていることが明記されています。また、公式サイトで表示されている証明書のTX HASHもテストネット上のものとなっています。

今後、Ethereumのパブリックネットワークに載せるのか?その場合のガスコストはどうなるのかは興味があるところです。

source: http://api.bitrecord.io/fact/c67f3fab3401462199ec5965c16ce7f2/jp

 

まとめ

ブロックチェーンの王道的な使い方の一つである耐改ざん性を弁護士目線で活用した例としてともて興味深い。

実際の裁判での活用を見据えた仕様を作り込むように進めている感があり今後の実社会への適用がなされたときのことを思うと胸熱ではあります。

お堅いイメージのある法曹界にブロックチェーンの理解が得られ、裁判官がしっかり採用してくれるかどうかは興味があるところである。

技術側からみてきたものとしては現在使用しているブロックチェーンがEthereumのテストネットである点については今後の展望には興味がある。テストネットは消えてしまうことがないとは言えないので。

パブリックチェーンになると今度はトランザクションコストがかかりますね。その辺りは頭が痛いところです。